特許の重要性(2)【知らないでは済まない他社特許】

特許の重要性(2)【知らないでは済まない他社特許】

前回、新製品でのビジネスを始めるのであれば、自社製品・技術を守ってくれる特許が無いと、ビジネスを継続することも難しい、ということを述べました。
他方、新たな自社製品・技術の範囲が、既に他社が特許出願(公開・登録)している場合、その対策が必要となります。
このため、「知らないでは済まない他社特許」ということになります。
通常、製造メーカ各社(の特許担当者、当該技術者・研究者)は、毎週、新たに関連する公開特許、登録特許をチェックすることを行っています。

SDI:Selective Dissemination of Information配信、機能とかと呼んでいます。
近年は、中国や欧米の外国特許でも同様に行っているところが多いでしょう。
各国特許庁のデータ開示がデジタル化し、オープン化されています。同時に特許データサービス会社が提供するサービスが、どんどん高度化していることに伴っていると思っています。

他社の公開特許が、自社技術の範囲に関わっているのであれば、時間的な猶予が、それなりにある(可能な対策メニューが複数ある)ので相応の対策が適宜可能です。
しかし、他社の特許が既に権利化(登録特許)されていて、その特許の範囲(特許公報の「特許請求の範囲」を登録後は「技術的範囲」と言います。)に入っていると思われる場合は、対策・対応が限られてきます。
つまり、ほぼ
①回避する:明らかに技術範囲に含まれない実施形態とする。
②特許権者(他社)に実施許諾してもらう。ライセンス契約等によって、実施許諾してもらう。
③特許が無効である主張(新規性が無い、とか進歩性が無いとか、など)ができる明らかな証拠(過去の特許文献や従来製品の解析結果など)を準備、揃えて、特許権者に交渉する。または(ダメの場合)、特許無効審判請求する。
に限られてきます。
実際は、容易に実施可能であれば①、現実的には、自社の「強い」(他社から見て欲しいと思われる、とか、もしかして範囲に入るかも?の)特許を他社に開示して、かつ③に有効な証拠も開示して、なるべく有利な立場での②の交渉、のように思います。

ここでも、特にクロスライセンスに至るレベルを目指すのであれば、やはり、自社の有力な特許(他社から見て欲しい、他社が制約される特許)がどれだけあるか、が交渉のキーとなります。

ということで、やっぱり自社特許出願が「先ず一番」「基本」ということが、言いたいこと!!です。
特許出願から、公開まで1年半ですが、その時、他社の技術者が、「やられた」「遅かった」と後悔するような特許出願を目指しましょう!

今は、どの国も先願主義なので、即(1番速く)出願することが重要です。(出願明細書に瑕疵<間違い>だらけだとダメですけど。。)

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