プロセス技術の詳細(その1)

プロセス技術の詳細(その1)

開業の挨拶からずいぶんと経ちましたが、今後は真面目に適宜UPしていく予定です。
私の経歴(技術・スキル)の詳細について、順次記載していきます。
○取り組んだプロセス技術の詳細(その1)
技術分野は、いわゆるLTCC(Low Temperature Co-fired Ceramics:低温同時焼成セラミックス)呼ばれるものです。
具体的には内部電極材をAgとして900℃で内分電極と誘電体(ガラスセラミックス)を同時焼成した積層基板です。
携帯電話普及期(90年代半ば、「2G」の時代に相当。)に、小型化のため、高周波関係の部品(トランス、フィルタ等)が、従来、誘電体に導線を巻回した形態や、セラミック白基板(アルミナ等の焼成基板)の表裏に導電パターンを形成した形態から、セラミック積層部品への転換が進みました。
<高周波での損失∝導電材料の電気抵抗>であるため、内部電極材(配線材)はAgまたはCuである必要があって、そのため、焼成温度が900℃(Ag)または1000℃(Cu)で、セラミック(誘電体)材料と内部電極材料を同時一体焼成した積層部品が普及していきました。
(当初、某顧客向けに従来形態(誘電体に導線を巻回した形態)のトランス部品を供給していたことから、積層部品への開発要求があって、これに対応したのが第一歩であったと記憶しています。)

以下Ag配線積層部品の概要です。
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誘電体材料:アルミナ+ガラス等  
内部電極材料:Ag  
焼成温度   :900℃    
誘電材一層厚さ:数10μm~200μm 
内部電極厚さ :数μm~20μm   
焼成雰囲気  :大気    
サイズ(mm):当初3.2*1.6*1.0、その後6.7*5.0*1.0の10個*15個程度の多数個基板形状
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内部配線材を、以下AgかCu、どちらを選択するかですが、相当議論しました。
・Ag:金属価格高い。大気焼成可能。焼成温度:900℃程度。
・Cu:安い。非酸化性雰囲気焼成要。焼成温度:1000℃程度。
結論は、
・当時900℃で焼成可能な材料を有していたこと。
・Cuの「非酸化性雰囲気」での必要なガス代が、金属価格の差を考慮しても、想定される生産量では、相当のコスト負担となること。
から、Agを採用した経緯があります。
その後、世界の携帯電話メーカ向けに、種々の内部配線構造のLTCC積層部品を供給いたしましたが、比較的順調に生産量を増やせていけたのは、「Agの採用及び大気焼成」を選択したことも大きな理由と考えています。

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