新製品QCD(14)【電子部品のクリーン環境③クリーン化の推進<クリーンブースの導入>】

新製品QCD(14)【電子部品のクリーン環境③クリーン化の推進<クリーンブースの導入>】

〇導入工程の優先順位の決定

クリーン化が比較的重要な工程・作業を決定する。ここでは、担当の技術者や作業者によって、塵埃・異物が混入すると、どういった不具合が生じるかを議論して、合意の上で、優先順位を決めていくことが望ましい。

(このような現場を含めた議論は、小集団活動での品質向上などへの展開が容易となる。)

例えば、セラミック積層電子部品であれば、シート成形前のスラリーに異物が混入すると、そのまま製品内部に留まってしまい焼成後に異なる色調を呈する、のような議論を進める。

議論の結果、以下3工程が最も高い優先順位の工程との結論に達したとする。

・セラミックスラリー作製工程

・セラミックシート成形工程

・スクリーン印刷工程

それぞれの設備と作業スペースにクリーンブースで覆うことになるが、一般にクリーンブースは、天井中央部にエアの吹き出し口があって、また、ブースの周囲四方を覆うカーテン状の透明シートの下部の隙間からエアが排出される構造となっている。つまり、(何も障害物が無ければ)ブース天井中央から周囲下部の隙間に、エアが流れている=風が吹いている構造となっている。

上記のエアの流れを考慮して、作業者の位置・設備のレイアウトなどを適正化することが必要である。動きがある作業者の頭部からの毛髪が、エアの流れによって、製品構成物となるスラリーやシートに落下、付着することがないような作業内容やレイアウトを検討する必要がある。

 

〇生産設備での工夫

エアの流れを検討すると、生産設備への工夫も有効であって、適時適用していくことが良い。以下に例示する。

・シート成形機の乾燥前のスラリーで暴露されるところは、上部の近傍に透明樹脂板等で、塵埃が落下を抑制する。

・スクリーン印刷機でも、被印刷物のシートや、ペーストに、塵埃が落下しないように同様に透明樹脂板を適宜設ける。

 

〇運転と運用

原則は、クリーンブースは、連続運転を行うべきである。しかしながら、現実問題として電気代等を考慮すると、作業時の前、例えば1時間前から運転を開始し、作業前の設備の清掃、作業場の清掃、などをやるべき準備事項を決定して、必ず実行する、作業記録をつける、等が実際的である。

 

〇クリーンウェア・クリーンブーツ

クリーンブース内での作業はクリーンウェアで行うことを徹底する。また、当然であるがクリーンウェアの保管場所もクリーンブース内である。

(1)クリーンウェア等の仕様

足、上下のつなぎ、頭部まで、一体の仕様が望ましい。また、静電気対策された仕様が良い。

クリーンブーツは、作業でアルコール等有機溶媒を扱う場合は、それに適したものを選択する。重量物落下の可能性があれば、安全靴の仕様を選ぶ。

(2)クリーンフェアの洗濯(クリーニング)

新規に洗濯機を購入して、クリーンウェア専用に使うことも可能であるが、洗濯による生地の痛みや、クリーンな乾燥場所の確保等、検討すべき事案が発生する。

従って、クリーンウェア洗濯の実績のある専門業者に依頼することが望ましい。

クリーニングの頻度であるが、各工程での作業内容に応じて、洗濯(交換)頻度を決めて運用すると良い。

 

〇クリーンブース内部のクリーン度向上

クリーンブース導入の当初からの実施でやるべきことは、「段ボールの排除」と「クッション等備える(塵埃が多く発生する)椅子の撤去」である。

次が、指示書や記録での「紙」の排除である。指示書等はラミネートや、チャック付きポリ袋に入れての運用とすべきである。記録で紙が必要ならば、「クリーンルーム仕様」で「ボールペン」を徹底する。

シャープペンシル含めて鉛筆は、芯の材質も塵埃であるが、それよりも「折れた芯」の混入がより問題となる。

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