お客様への納入実績もある程度できて、継続的な生産が見込めるようになると、顧客からAuditを受けることとなります。
Auditには、新製品開発の手順、営業(受注)、調達、発送等のシステムに関するものと、製造プロセスに関するもの、の2つに分かれていて、顧客からみて、「問題の無いサプライヤー」であるかどうか、判断されます。
判断と言っても、今後取引はダメということでは無くて、Auditの後、
1)この点は改善して欲しい、
2)将来的に、このような取り組みをして欲しい、
というような、報告書が届いて、それぞれに計画を提出するような形でした。
実際は、現場でのAuditの後の打ち合わせで、顧客の要望や意向は察しがつくものでしたが。
先ずは、対応での主担当であったProcess Auditについて記します。
既にISO9001は認証取得済でしたが、顧客のAuditでは、より具体的、現場的でした。
・漢字が分かる中国人と、本国からの欧州人が現場に工程の順に立ち入る。
・現場に配布されている作業標準書や手順書が、原本と異なっていない「最新版管理」できているか確認する。
(中国人が、いくつかの工程での手順書を見て、発行年月日をメモっていて、後の打ち合わせで原本と違いが無いかを確認。)
・また、手順書等は、現場の作業者が机や棚まで、数歩歩いて、「探す」レベルではダメで、歩きは一歩以内で、パッと取り出せるレベルを要求されました。
・補助材料等で「先入れ先出し」が徹底される仕組みとなっているか。
(当初は製造年月で確認する(古い方から使用する)ことにしていたが、入荷後シリアル番号を記した後、小さい数字から使う、ことに改善して、納得いただいた。)
のような感じで、結構「微に入り細に入り」の指摘、指導でした。
しかしながら、当時の携帯電話をリードしている世界的メーカからの指摘は、「納得感のある」ものでした。
顧客は顧客で、様々なサプライヤーへのAuditによって、各社の良いところ、弱いところを学習して、
良いところを、他のサプライヤーに指導して、全てのサプライヤーの高度化、均質化を進めていたのであろう、と想像します。
ちょっと余談となりますが、スウェーデンに本社があったE社の担当者数名についての思い出です。
スウェーデン人は、一般に、「大きい」人が多いようで、「クリーンルーム」見学用に、用意したクリーンウェアのサイズは初めて購入した「4L」、
当然、身長も高かったので、工程の説明で首が痛くなりました。その時点ではクリーンウェア着用の経験が少なったようで、記念撮影を求められました。