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分担執筆「クリーンルームの微小異物・汚染物対策と作業員教育」発刊のお知らせ

ちょいと遅くなりましたが、

(株)技術情報協会(2020年10月30日)から発刊されました。

ご興味のある方は連絡ください。著者紹介割引があります。

https://www.gijutu.co.jp/doc/b_2070.htm

1ヶ月前に同社発刊の、「“後発で勝つ”ための研究開発・知財戦略の立て方、進め方」

https://www.gijutu.co.jp/doc/b_2064.htm

も宜しくお願い致します。

前回、ISSきぼうが見えたお話をさせていただきましたが、

今の気象衛星「ひまわり8号」の打ち上げに、種子島まで行って見てきました!

なかなかの感動ものでした。

打ち上げ日時2014/10/07、14:16でした。

10月でしたが、暑くて独特のセミが鳴いていたのを思い出します。

セミナーのご案内「電子部品の不具合観察・解析技術と不良対策への応用ポイント」

公私ともに、busy状態が続いたりして、2か月以上サポっていました。

2021年01月27日(水) 10:30 ~ 17:30にオンラインでのセミナーを予定しています。

https://www.j-techno.co.jp/seminar/seminar-40526/

受講希望の方、ご連絡いただけると割引のようです。

先日11/24に類似していますが、少しダイジェスト版のセミナー

「不良対策・品質改善にすぐに役立つ表面観察・分析ノウハウ(webセミナー)」((株)テックデザイン主催)

も、何とか終了できました。

全然話題が違いますが、本日18時前にISS/きぼうが鳥取上空ほぼ真上を通過するということで、

少し雲がありましたが、初めて見えました!野口宇宙飛行士が滞在しているんだな~とか思いながら。

セラミック多層基板/積層部品について

今まで普通に「積層部品」とか記してきましたが、少し調べてみました。

〇セラミック多層基板(積層部品)の概念は、1961年に発表されている。

〇実用化は、1970~80年台の大型コンピュータ(メインフレーム)全盛期に、

IBMが内部配線電極にタングステンWを使ったアルミナ多層基板上にSiチップを搭載する設計を採用したのが最初?と推測。

「電極材とセラミックスを同時に焼成」して、どちらも緻密質にして3次元の配線構造物としている。

〇その後、類似・派生製品として、

・NiCuZnフェライトと銀Ag電極でのチップインダクタ:ノイズ対策部品

LTCC(低温同時焼成セラミック)と銀Agまたは銅Cu電極の高周波部品

LTCCのLow Temperture:低温とは、上記アルミナ/タングステンの多層基板の焼成温度が1300℃超と高温であることと対比である。

LTCCが一般化したので、アルミナ/タングステンをHTCC(High Temperature ・・・)というようになった、と想像します。

より具体的に「低温」とは、Agと同時焼成では900℃、Cuと同時焼成では1000℃となります。

AgやCuは、電気抵抗が小さく、携帯電話の高周波回路では低損失であることが要求されていて、LTCCの主要用途となった。

・チタバリ(チタン酸バリウム)とNi電極の積層チップコンデンサMLCC

等が開発され、量産されている。

数量ではMLCCがダントツ。

スマホで1,000個、薄型テレビで2,000個使用されていると言われている。

自動車では現在6,000個から、電動化で10,000個と予想されている。

シェアNo.1の村田製作所は、月当たり「〇兆個」を生産しているそうです。

 

電子部品とは

(9/17特許の重要性(20)でも一部お伝え済みですが、)

9月の初め2日間、末の1日は、鳥取大学の電気情報系1年の「技術者倫理」集中講義の一部担当にて、

初めてのZOOMでのリモート講義を経験しました。対面と全然違って、大変でした。

特に、グループ討議は人海戦術的に講師群での協力が必要でした。

今月10月入っての先週末は、同大学の機械物理系3年での同授業でした。

今回は、Goole Meetによるもので、講師の不慣れもあって、ZOOM以上に困難を極めました。

特に、Manabaという大学のシステムを同時に使って、ファイルの提出等もあって、複数のパソコンに対して、

ご担当の大学教授含めて、講師が行ったり来たりで、へとへとでした。。。

 

さて、本論です。

特許調査・対策の続きは、より実務的な内容となるので、またの機会とします。

今回は、電子部品とは、です。

自動車用の電子部品を調査する機会があって、改めて、調べました。

電子部品とは

良く大手電子部品メーカ6社とか8社とか、いう場合は【広義】で使っているようで、

【狭義】の電子部品を、アッセンブルした部品や機器も「電子部品」というようです。

【狭義】の電子部品は、IC,ダイオードなど半導体である「能動部品」と、

LCRである「受動部品」と、端子、スイッチ、コネクタ等の「補助部品」に分類されるようです。

私が経験したLTCC積層部品は、LとCと内部に含む部品=受動部品でした。

高密度設計が必要性によって、部品上部にダイオードを搭載したモジュール部品=広義の電子部品、へ発展したことになります。

 

村田製作所の主力の一つは受動部品である積層コンデンサですが、能動部品事業(携帯電話の送信用パワー半導体を作っていた日立の小諸工場など)の買収を進めて、

広義の電子部品メーカに成長していったよう感じています。

(自動車分野での、デンソーに似ていて、「その気になれば、」本体も作れちゃう、感じを持っています。)

ロームも、元々はR:抵抗とohm:抵抗の単位が、社名の由来で、従来から「チップ抵抗器」が主力のメーカであったとのイメージですが、

現在は、モジュール(例えば、自動車用のカメラモジュール)やユニットも主力製品のようです。

特許の重要性(25)【他社特許調査と対策⑯他社特許調査⑥】

(21)の図の説明を続けます。

今回は、

4)製品化後:<【他社】 登録特許の>無効資料調査

です。

製品化後に限らず、開発途中でも、「どうもこの特許の技術的範囲に入っているかも」の特許が見つかることがあります。

でも、その特許に無効理由がある場合、より具体的には、新規性または進歩性が欠如している場合、特許は無効化することができます。

無効理由として、誰もが(少なくとも、審判官や裁判官が)納得可能な資料があれば、「特許無効審判」をすれば、その特許を無効にすることができることになります。

しかしながら、現実的には、無効資料を準備し、弁護士や弁理士に「無効である鑑定書」を作成してもらって、<その特許は無効=無いと同じ>の前提で、事業を開始することもあると思っています。

他方、無効化が難しいとなると、ライセンス契約の提案となるのが通常でしょう。

 

ライセンス契約では、自社が、どれだけ有効な特許=相手(他社)から見て障害となりそうな特許、を持っているか、で有利な交渉を進めることができます。クロスライセンス契約になり得ます。

また、1件だけの特許許諾交渉は稀で、関係する複数の特許を対象になされることが多いでしょう。

出願の期間を決めて対象特許としたりします。

 

無効資料調査では、

一般に検索対象である「特許文献」は、審査で調査対象となっているため、

更に「特許文献」を検索・調査しても、有効な文献を見出すことは、困難です。

そこで、審査では(公知文献としての)調査対象とされることが稀な:

・専門書、学術文献、学会資料

・発明者の学位論文(博士論文)

・当時の自社や同業他社の技術資料・カタログ

など、入手可能であれば、何とか入手して、その内容を検討することとなります。

学会資料は、「発表時のみ」公にされるので、自社発表資料は、後々を考えて、きちんと保存しておくのが良いでしょう。

学位論文は、国立国会図書館に所蔵されているので、複数回に分ければ、全ページのコピーを取ることできます。

 

「もの」の特許の場合、(出願前に提出されていた)学位論文の実験方法の記載と、特許明細書の実施例の記載とが、実質的に一致しているのであれば、出願時前に、既に「もの」は存在していた蓋然性(がいせんせい)が高い、という主張が可能となって、新規性欠如となって、特許無効となり得ます。

 

上記は、「資料」での無効化についてですが、

例えば、日本の「もの」の特許であっても、出願前に、アメリカで「もの」として存在していることを証明できれば、その日本特許は、同様に新規性無しで、特許無効となり得ます。

特許の重要性(24)【他社特許調査と対策⑮他社特許調査⑤】

(21)の図の説明を続けます。

今回は、

3)開発段階:<【自社】技術・製品が、【他社】の>権利侵害調査(侵害予防調査)

です。

 

開発段階の初期(着手時)では、通常、障害となりそうな特許を抽出して、「回避」する方向で開発を進めます。

しかしながら、開発が進んで、具体的になってくると、都度、障害となる可能性のある特許=権利を侵害するおそれがある他社特許、が新たに見つかることがあります。

まさしく、その都度、

①開発方向に軌道修正や、

②その特許が公開段階であれば、審査請求の有無を確認して、審査請求済であれば、後に述べる無効資料調査と同様の調査を行って、特許庁への「情報提供」などが大変有効です。特許査定を阻止することは、通常は「補正」されるため、困難ですが、「補正」によって、少なくとも権利範囲を減縮させて、実質的に、障害とならなくなる場合も多くあります。

③審査未請求であれば、請求されるまで、「監視」する、ことを行います。

請求期間3年を過ぎてしまえば問題ありませんが、請求された場合は、上記②の通りです。

 

以上の通り、他社特許対策は大変です。かつ、継続的に行う必要があります。

武器となるのは、自社出願特許です。前回参照に、できるだけ多くの出願を推進することが事業を進めていくには不可欠と考えます。

出願アイデア発掘会、ブレンストーミング、など定期的に開いて、かつ、特許アイデアシートはノルマで提出させる、ことを行いましょう。

特許の重要性(23)【他社特許調査と対策⑭他社特許調査④】

前々回(21)の図の説明を続けます。

今回は、

2)開発段階:<【自社】の>出願前調査

です。

 

開発を進めていて、「これは発明では!」「特許になるのでは!」の実験結果が出た時、少なくとも、自社、実際は、同じグループの同僚・先輩・後輩?が、同じような発想で出願していないかを確認する調査と位置づけることができます。

でも、しっかりと、特許データベースを使って、出願請求範囲(請求項)を中心に、あまり範囲は広げず、キーワード等で検索して、少なくとも「新規性」は主張できる発明であることを確認しましょう。

更に、「進歩性」を主張するために、既出願特許(公開特許、公表特許、等)には記載されていない作用効果を何とか見出すために、必要であれば実験結果の再解析をやってみましょう。

「相乗効果」や、「組み合わせ阻害要因の除去」などは、進歩性を認めてくれる作用効果とされています。

逆に、数値範囲の規定:「〇以上・以下」「〇超・未満」などを要件に入れるのであれば、単なる「設計事項」(発明者が好ましいと考える数値範囲)ではないことを、実施例や比較例で十分説明できる内容としましょう。

グラフで「変曲点」を伴うX軸、Y軸の数値は、進歩性を主張しやすいとされます。

従って、「変に」データのスムージングしたグラフにすることは、「変曲点であること」の主張が困難となるおそれがあって、おススメしません。

 

検索で、競合または先行企業の特許がヒットした場合は、「被っている」技術があると認識して、出願する特許請求範囲、及び新規性・進歩性主張に係る記載は、良~く考えて、知財担当者と相談して、出願に繋げましょう。

特許の重要性(22)【他社特許調査と対策⑬他社特許調査③】

では、前回の図の説明をします。

1)開発初期:【他社】技術動向調査

です。

 

自分の権利をどうやって取るか?他社の問題特許をどうするか?

の視点から離れているので、「気軽」かも?ですが、

競合他社は、どういう方向でやっているのか?どの市場を狙っているのか?という点を抽出できるので重要です。

逆に、自社の相対的な位置や、方向性の妥当性をつかむこともできます。

 

検索範囲としては、自社製品や技術を、少し広げた、キーワードや特許分類=IPC分類で検索すると良いでしょう。

ヒット件数が多すぎる=1000件超とか、ちょっと公報内容見ると、ノイズが多い=全然関係無いのが結構ありそう、であれば、特許分類の範囲を制限するようなことをして、きちんと特許公報の内容を把握できる程度の件数にしましょう。

あまり聞かない出願人がヒットするのであれば、出願人を絞っても良いでしょう。

(“#”とかで、「〇社は含まない」ような検索式も商用データベースでは可能。)

ただし、競合他社=出願人が、どこかと合併して、名義を変えていたり、逆に、該当の事業がどこか別企業に買収されて、特許権者が別の企業になったりするとヒットしなくなくなるので、要注意です。

特許の重要性(21)【他社特許調査と対策⑫他社特許調査②】

前回の:

―――

1)開発初期:【他社】技術動向調査

2)開発段階:<【自社】 の>出願前調査

3)開発段階:<【自社】 技術・製品が、

【他社】 の>権利侵害調査(侵害予防調査)

4)製品化後:<【他社】 登録特許の>無効資料調査

―――

をちょっと無理やりですが、図で表すと以下の感じでしょうか?

次回より説明していきます。

特許の重要性(21)図

特許の重要性(20)【他社特許調査と対策⑪他社特許調査①】

しばらく、ブログ更新せずに2週間が経ってしまいました。

言い訳ではありませんが、鳥取大学工学部の「技術者倫理」の特別講義の一部を担当していて、

今月初めの2日間、と月末1日に電気情報系の1年生、

来月初めの2日間、と来年1月1日間に機械物理系の3年生、

対象で、準備等進めています。

初めての「リモート配信」のため、大分勝手が違うことに戸惑っています。

 

今回より、他社特許調査について記していきます。

製品の開発フェーズで求められる調査内容は異なって来ます。

また、実際の開発では、方針変更や、他社の問題特許が見いだされたりすると、より複雑な調査となることも多いように感じます。

まとめると、以下のようになります。

 

1)開発初期:【他社】技術動向調査

2)開発段階:<【自社】 の>出願前調査

3)開発段階:<【自社】 技術・製品が、

【他社】 の>権利侵害調査(侵害予防調査)

4)製品化後:<【他社】 登録特許の>無効資料調査